起業の失敗-業界構造を理解していないと罠にハマる

スタートアップにおいて、成功の法則はひとえには語れないものであると筆者は考えています。

でも、失敗の法則は違います。

失敗を避ける方法は、サイエンスであり、ある程度学ぶことができます。

文豪トルストイの小説に『アンナカレーニナ』というものがあります。

この中でトルストイは、

「結婚したカップルはどれも”似通っている”」

と言います。

なぜなら、どんなカップルも”いくつかある失敗のパターン”をことごとく避けることができた結果として、結婚にたどり着くことができたからです。

失敗にはパターンがあって、みんなそれらを乗り越えたもんだから、結局似通った形になるっていう話です。

これは「アンナカレーニナの法則」と言われるものです。

起業も恋愛と似たようなところがあります。

失敗にはいくつかのパターンがあります。

それらを事前に学んでおけば、地雷を踏む可能性をある程度までは下げることができるというわけです。

筆者がやってしまった失敗の一つが「業界構造を理解していなかった」ということ。

新しく市場参入する起業家にとって、これはめちゃくちゃ重要なポイントです。

筆者は、創業メンバーの一人としてカウセリング系の事業に携わりました。

周囲からもある程度の評価を受けていたビジネスモデルでした。

当然、「これなら絶対にイケる!」と本気で思ったからやったわけですが。

しかし、結果は惨敗。

この時の一番の失敗要因は、業界の構造を全く理解していなかったことです。

長くなるのでここで詳しくは書けませんが、

まずとにかく市場が小さかったのです。(というよりなかったと言った方が正しい)

これは実際にやってみないと肌感として掴めませんでした。

我々には、当然狙おうと思っていた顧客層がいました。

彼らが、

①そのサービスにお金を払ってくれそう

というのと、

②そのサービスにお金を実際に払っている人が既にいる

というのとでは、天と地ほどの差があります。

結局、どんな顧客がいて、その人たちはどんな所にいて、いま何にお金を使っていて(あるいは何にお金を使ってなくて)、そんな顧客に対して既存企業がどんなサービスを提供していて…というのを全然理解していなかったのです。

もちろん、ある程度は調べていました。・・・ある程度は。

それでうまくいけばいいですが、この成熟時代にはそんな簡単にはいきません。

日本のカウンセリング市場には、市場の大きいアメリカなどとは違って日本文化を背景にした独特の業界構造があります。

事業をやり始めた後で、「最初から知っておけば…(_ _).」ということを山ほど学びました。

では、起業家はどうすればいいのか?

元も子もありませんが、より深く理解する方法は、やはりその市場に直接身を投じること以外にはありません。

だから、ずっとその市場でプレイヤーとして働いていた人間が起業をすると、業界構造の理解という点においては非常に有利なのです。

起業しようと思っている人も、何らかの形で一度その市場に入って仕事をしてみるというプロセスもアリだとは思います。

しかし、時間がもったいないというのも分かります。

その時は、その市場のプロフェッショナルに直接話を聞くことです。その際のポイントは、事前に自分で調べられるだけ調べて、考えることです。”徹底的に”、です。じゃないと的をえた質問すらできませんので、お互いに時間の無駄になります。

・どれくらいの市場規模なのか?
・狙う顧客はどんな人(属性)か?
・その人たちは、どんな痛み/もしくは願望を持っているのか?
・その人たちはどれくらいの数いるのか?
・それを叶える既存サービスには、どんなものがあるのか?(徹底的に)
・実際にお金を払っている顧客はどれくらいいるのか?いくら使っているのか?
・その人は、どんな時に、どこで、誰と、なぜ、そのサービスを購買しているのか?
・同じビジネスモデルで過去に失敗した例はなかったのか?
・既存サービスで儲かっているところはあるか?そこはなぜ儲かっているのか?(徹底的に)

ざっと挙げていくと、例えばこんな感じです。

ネットでもかなりの情報は集まります。徹底的に調べる、そして、その道のプロに質問することで、事前にある程度まで業界構造を理解することは可能だと思います。

とにかく「業界構造を理解する」ということは肝に命じておくと良いかと思います。