これからの時代に「思考力」が必要な理由

▪️これからの時代、絶対に必要な能力は何か?

こう聞かれたら、私は「思考力」だと答えます。専門的な深いスキルを身につけることももちろん大事ですが、私は考える力を一生を通して最大化していきたいと考えています。

「いまの時代、なぜ自分の頭で考えることが必要なのか?」

これを考えてみたいと思います。

▪️20世紀までの日本

20世紀までの日本は、自分の頭で考える必要性はそれほどなかったのではと思います。

それは、答えが分かる時代だったからです。

話は、明治維新の時代。
ずーっと鎖国をしていた日本が開国します。日本は「よし!これから世界に打って出ていくぞ」と意気込んでいました。それまで鎖国をしていた日本は、圧倒的に進んだ欧米諸国を見て、「やばい、俺たちも追いつかないと!」と焦ったんですね。

日本を動かす要人の半数ぐらいの人が、岩倉使節団として欧米各国に実際に訪問し、進んだ国の社会、教育、政治から、文化にいたるまで様々な分野を観察してきました。

「うわー、すげーこんなの見たことないわ」当時の彼らにとっては、興奮冷めやらぬ旅だったのだと思います。想像してみてください。ネットが全然ない時代ですからね。ものすごい旅をして実際に見て触れて学んできたわけです。

つまり、欧米諸国の進んだ文明を手本にして、発展に成功してきた国
それが日本です。

工業化社会を迎えた19・20世紀には、より優れたモノを、より安くつくることが優位性となりました。

日本では人口も増え続け、まだまだ国民は豊かではない(モノを持っていない)時代。

人も増えている、必要なモノが揃っていない、あれもこれも欲しい!!
要するに、モノが沢山売れる時代です。

モノがたくさん売れるので、大量生産、大量消費社会に突入します。
それだけ商品を大量に作るということは、規模の経済が働きます。

効率性を上げるのは、日本人の得意分野。
海外に行くとよくわかりますが、キメの細かさ、繊細さ、やはりmade in Japan商品のクオリティーは非常に優れています。多くの国民が総じてここまで精巧さを追求できるということは、他の国の人にはなかなかできない日本の強みです。
そうして、より良いモノを、より安いモノを、改良に改良を重ねる企業がたくさん出てきました。

しかし逆に言えば、
ゼロから新しくモノを生み出す必要性というのそんなになかったんですね。

戦後20年足らずで日本は世界のトップクラスに肩を並べました。
これができたのが、先人方の本当に素晴らしいところ。日本の矜恃です。

しかし、それが今ではどうなっているのか。
世の中の流れが大きく変わってきてます。幾つかの変化を取り上げます。

世界はいま、とんでもない時代を迎えているのです。

今回は、「なぜ自分の頭で考える力が必要なのか」
それを考えてみる記事でした。

20世紀には、改良志向で、より良いモノを作ればよかった。逆にゼロから生み出す必要性がそんなになかった。

そして、時代の流れが変わり始めています。

▪️日本の人口減少

一点目の変化は、日本の人口が減り始めたことです。

自明のことなので、改めて取り上げる必要もないかもしれませんが、絶対に外せない視点です。

人口が減るということは、労働力が減り、消費も減るということです。そうすると、経済が成長することはできなくなっていきます

”数の力”というのはそれほどにでかい。
例えば、日本の1%を相手に商売したら120万人、一方でインドで1%の客に商売するとなんと1200万人、一人100円のモノを売ったとしても、1億2000万と、かたや12億ですよ。まさに桁違いです。

働いたり、子供を生んだりできる人の数を生産年齢人口と言いますが、これは、日本では毎年110万人近く減っています。平均年齢は50歳ぐらいですね。
ちなみに、現在、経済成長真っしぐらのフィリピンを例に挙げると、平均年齢は20歳ぐらいです。当然ながら生産年齢人口も爆増中。数十年前の日本みたいですね。

人口減少は、一般にどこの先進国をとっても見られる現象です。
国が豊かになって成熟するほど、経済成長率は落ち込んでいくのが一般的です。

日本の人口は減少し、すでに低成長(マイナス成長)の時代を迎えました。

▪️全員がすでに”豊かな”日本社会

二点目は、モノが溢れる豊かな社会になったことです。

”豊かな”とカッコをつけているのには、大きな意味があります。
これは、「精神的な豊かさ」を言っているのではなく、あくまで、「物質的な豊かさ」を指しています。

実は戦後以降日本では、幸福度調査というのがずっと行われているのですが、そのデータによると、日本人が「幸せだ」と思う数値はずっとほぼ横ばいです。そこに、GDP経済成長のグラフを乗っけると非常におもしろい。
つまり、経済はどんどん豊かになっているのに、人の幸福度はずっと変わっていないのです。

話が逸れていきそうなので、それはさておき・・、
モノがすでに行き渡っている世の中になったということです。
これが何を意味するかというと、もはや今まで通り「大量生産・大量消費」というわけには行かなくなります。

同じモノをより安く、より良く、効率的に作ったところで、大量に買ってもらえることはできないからです。
テレビも、洗濯機も、自動車も、洋服も、パソコンも、なんでも必要なモノは大体すでにほとんどの国民が持っているわけです。

いくら改良を積み重ねたところで、そう簡単には買ってもらえません。

日本は”豊か”になり、モノがたくさん売れる時代ではなくなりました。

▪️世界の大転換点 

3点目は、世界がとんでもない転換期を迎えてしまったことです。

この3つ目こそが「なぜ自分の頭で考えなければいけないのか」の核心的な理由です。

世界の歴史を見ると、いくつかの歴史的な転換点がありました。

”技術(テクノロジー)の発達”というのは、基本的に他の何かしらの技術を参考にして生まれるものです。厳密に言うと、本当に全くの無から生まれる”オリジナル”の技術というのは、ほぼありません。
これは、いつの時代もそうです。(昔よりも今の方が特にそうです)

例えば、文字の誕生。
はるか昔、文字が生まれた時代、この時代はすでに、世界中のあちこちに人類が無数に散らばっていました。しかし、全くの無から初めて文字を生み出した民族というのは、非常に非常にごくわずかです。

ほとんどの民族で、他の民族の文字が伝来してから、それを借用するか、それを参考にして独自の文字が作られています。
つまり、技術が伝来すると、次の技術が生まれていくということを意味します。

そして、ここから次に何が言えるかというと、人類10万年の歴史を振り返ると、

”情報の伝達スピード”というのが、社会の発展にはものすごく重要な要素である」

ということです。
少し掘り下げてみます。

農耕社会の時代というのは、基本的に徒歩での移動です。
つまり、情報が伝わるには、直接出会うしかない。歩くのはとっても時間がかかります。文字が他の地域に伝来するのにもものすごい時間がかかっているのはそういうことです。

さらにその前に遡って、文字を持たない時代はどうだったしょうかね?
文字がないので、情報を残すことすらできませんよね。
「これを彼に渡しといて」と書くこともできないし、「私が得た知識を残しておこう」とすることもできません。
文字がない時代は、めちゃめちゃ伝達効率が悪かったことが予想できますね。

ずーーっと説明していくと終わらなくなるので、すっ飛ばしますが・・・(笑)
勘が良い方は、だんだん分かってくるのではないでしょうか。

文字が生まれて、馬を使うようになって、鉄が生まれて、蒸気船が生まれて、蒸気機関車が生まれて、自動車が生まれて、飛行機が生まれて・・・

想像してみてください。それぞれの時代で情報が伝わるスピードというのはどれくらい違うでしょうか?

上述した、それぞれの時代と時代の転換点を迎えるまでにどれくらいの時間がかかっているでしょうか?

文字が生まれてから馬を使うようになるまで、馬を使うようになってから鉄が生まれるまで・・・

そうです。。。
文字が生まれてから馬を使うようになるまでは、とんでもなく長い期間がかかっています。
一方で、自動車が生まれてから飛行機が生まれるまでは、わずか数百年。

こうして”情報が伝わるスピード”というものが、それぞれの転換点を経て加速度的に早くなってきたのが今のこの世界です。

技術が伝来すると、次の新しい技術が生まれます。

つまり、情報が早く伝わるということは、それだけ社会の発展も加速度的に進むということになります。

そうして出てきたのが、20世紀の”インターネット革命”です。

これはもう本当に世界が変わる転換点でした。このインターネット時代、情報が伝わるスピードは?・・・さあどうでしょうか?

答えは、”一瞬”です。

これがどれだけとんでもないことかは、これまでの歴史を俯瞰してみると分かりますよね。情報技術が瞬時に世界中に伝わるわけです。
ということは、次々と新しい情報技術が生まれ続けていくということを意味します。だから、今の世の中は変化の激しい時代なのです。

実際に、インターネット革命を迎えた1996年以降この20年の変化というのは、これまでの歴史に比べて、比じゃないスピードで変わってきています。これからの世の中も一気に様変わりしていきます。100%そうなります。

多くの人が気づかないうちに、だんだんと住む世界が一変していくということが起きるでしょう。本当におもしろい時代に生まれたなと思います。私自身、起業の世界に身を投じ始めて、ひしひしと実感していますが、今のテクノロジーの変化スピードは凄まじい。まさに人類の進化とも言える歴史の転換期と言えるでしょう。

もはや、予測ができて、答えが単純に分かる時代ではないのです。

欧米諸国の真似をしてもうまくいくような時代ではありません。
ただひたすら効率性を求めて、より良いモノをつくれば成長する時代ではありません。
一つ答えが分かったら、それが通用し続けるような時代ではありません。
これからの社会は、環境が刻々と変わり続けていきます。日進月歩ならぬ、秒進分歩の世界です。世界中の情報が行き来し、より複雑な世の中となっていきます。

だからこそ、「自分の頭で考えて答えを探していく力」が必要なのです。

1つだけ、具体的なテクノロジーの変化を挙げるとするならば、AI(人口知能)の台頭です。AI技術自体は、まだまだ進化の途中ですが、我々が生きているうちに、AIやロボットと共存(正確に言うと、 AIが意志や生命を持つのはまだまだ別次元の話なので、”共存”という言葉を使うのは間違いだが)する世の中が確実にきます。
誰にでもできるような単純作業や、ルーティーン化できる作業はロボットの得意分野です。

これを「そんなのふざけるな」とか「そんな時代になるか」など言う人もいますが、そういった時代はそう遠くない未来に来るでしょう。このテクノロジーは、パンドラの箱であって、否が応でも確実に進んでいきます。

しかし逆に、これはチャンスです。
嫌な仕事や、パターン化できる仕事はすべてロボットに任せて、人間は、人間にしかできない仕事に集中できるわけですから。

そこでやはり再び言えることは、「考える力が必要だ」ということ。

日本は、人と同じであることを良しとする空気があります。
学歴偏重で、できるだけ多くを暗記して、難しい試験に通ることが優秀とされます。
そうして、大企業に勤めることが、安定した道と信じられてきました。
問題も、答えも教えてもらうのが、日本の教育です。
言われたことを誰よりも上手くこなせる。今あるモノよりももっと改良して、よりよいモノを作れる。

これらは、確かにこれまでは機能してきたかもしれません。
しかし、もうそのような”優秀な人”は、沢山はいらないのです。
日本が、この世界の変化に対応していけなければ、どんどん沈んでいきます。

それは、僕たちの息子・娘世代、孫世代が豊かな暮らしができなくなるということを意味します。危機感を持っている日本人は少ないと思います。

自分の頭で考えて、自分で新しい価値を生み出していける人、そういう人間が、これからの日本にもっともっと必要です。
これからの世界を豊かにしていくのは、そういった人間だと思っています。この時代に生まれたことは奇跡ですよ。こんなに可能性が広がっている時代はなかった。世界は、いまとんでもない歴史の真っ只中にあります。

それだけ世界にインパクトを与えられる可能性のある時代だということです。

世界をもっともっと豊かにしていける。人々の人生を劇的に変えていくことができる。いつか、理不尽な宿命を背負って生きる人がうまれない世の中が来る、僕は、そう信じています。

価値観は人それぞれですが、日本人ももっともっと夢を見て良いと思います。宇宙にも行ける時代です。なんでもできますので。

以上が、「日本において、思考力が必要な理由」です。

そして、

「自分のやりたいこと、幸せとはなんなのか、それを考えた方が良いよ」

という理由でもあります。このブログのタイトル「Think Happiness」もそこからきています。
時代に取り残されず、本当に”豊かな”人生を送るためのコツなのかなと思います。

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