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サービスと「待ち時間」

こんにちは。石川大貴です。

今日は「待ち時間」についてのお話です。
病院の診察で待ち時間が長かったのにつられて思い出しました。

病院だけに限らず、待ち時間って普段の生活の中で結構あると思います。
飲食店や、タクシーとか、役所とか。

「待ち時間」というのもサービスの質に含まれる重要な要素です。

なんでもかんでも待ち時間が短ければ良い、というわけではなく
①楽しむためのサービスである
②にぎわってる感がプラスになるサービスである
この二つの条件を満たす場合には「待ち時間」が長いことがプラスに働くこともあります。

ディズニーランドなんかはもろにそうですよね。
待ち時間が長い=混んでいる=人気がある=きっと楽しいに違いない、と行った感じで無意識レベルで「待ち時間の長さ」がサービスのプラスに働いている側面があると思います。

直接スタッフに聞いたわけではないので定かではないですが、おそらく園側もこれを認識していて経営に活かしている(待ち時間をコントロールしている)場面も多くあります。

遊園地ビジネスなので当然閑散期もあります。
人が少ないときは、例えば入場ゲートをいつもよりも稼働を少なくします。そうすると少ないお客さんでも列はできます。

「便利な方が良いに決まってる」なんて思考でなんでもかんでも「早く、効率よく」を進めると自分の首をしめることもあると考えておいた方が良いよということですね。

もちろんお客さんは自分の口では、「並ばない方がありがたい、待たない方がありがたい」と言うかもしれません。

しかし、実際は列ができていることによって、受けるサービスの期待感が増幅されていることは世の中にざらにあります。

街中によくある、たい焼き屋さんなんかもそうです。

そういうところでは、(そもそも人件費かけたら赤字になっちゃうってのもあるし)一人とか二人でお店を回しています。そうするとすぐに商品を提供できないので、簡単に列ができます。

これで良いんです。待たせれば良いんです。人は人を呼びます。

心理学的には群衆効果と言います。
僕がたい焼き屋をやるとしたら、めちゃくちゃ丁寧に真心込めて作ってますとか内容の張り紙貼っておいて、めちゃくちゃゆっくりたい焼きを出すと思います。わざとね。

行列というのは自然にできるものではなく、作り出すことができます。

行列とは、つまりは「需要と供給のバランス」です。
お客さんが少ないときは、意図的に供給を減らしたら良いわけです。

東京に究極のヘッドスパを提供している「悟空のきもち」というマッサージ店があるのですが、
完全予約制で、需要がめちゃめちゃ多いのに、決してその全てを満たそうとしません。

いつも一ヶ月分の予約がわずか数分で全部埋まります。受けたくても受けられない人が大量にいる状態を保っています。もちろんサービス自体の質も最高なのでしょうが、「待ち時間」が人気の演出に一役買っているパターンです。

さて、一方で逆を考えてみましょうか。

楽しい系でないサービスの場合、例えば役所の手続きや、タクシーなどがそうですが、
これはもう待ち時間が長いことはお客さんの不満を招くだけです。

「どれだけ待ち時間を縮められるか」が、このビジネスの勝負になってきます。

タクシーの配車アプリも待ち時間を縮めるよう作られているし、アマゾンの1時間配送なんかも
効率、早さを突き詰めた結果ですよね。

今日の話はここまで。「待ち時間」もサービス設計の1つの重要ファクターですのでよく考えてみると良いかと思います。

さてここから先は完全に余談になります。

ビジネスの話というより、ヒューマニティーの話になります。
「待ち時間」で思い出したのがフィリピンに住んでいた時の話です。

僕は大学を休学してた時にフィリピンに住んでました。

向こうに滞在するために、ビザの更新手続きを3ヶ月に一回くらいするわけなんですが、ちょうど12月のクリスマスの時期に更新手続きに行ってしまったことがありました。

ただでさえいつも混んでいて、それでもゆったりと作業をするがフィリピン流なのですが笑、
その日はマジで丸一日かかるくらい待たされたと思います。待つことはしょっちゅうなんですが、その日は本当に死ぬほど待ちました。

「まだかまだか」とスタッフに聞いている客、スタッフに文句みたいなことを言っている客も多くいました。(日本人が、ですよ)

で、その中でこんな方がいました。

確か白髪のヨーロッパ系の人でした。歳は60過ぎてるくらいかと思います。

彼は、手続きが終わってパスポートを受け取り、「サンキュー」と言って建物を出てきました。

少ししたら、その男性がまた戻ってきて、なんか忘れたのかな?と思ったら、対応していた二人のスタッフに「グッジョブ(お疲れ様!)」と言ってコーヒーを差し入れしたんですね。

その光景を見た瞬間、僕の頭にはもう稲妻が落ちました。

だって、僕もイライラしてましたからね。5時間とか待ってたわけですよ。

日本人とか韓国人とかがワーワー文句を言っている。そんな中で、この対応は全く想定していなかったです。かっこよすぎて泣きそうになったくらいでした笑。ヤバイ、かっこいいと思いました。

日本に住んでて、こういう粋な対応ができる人ってまずいないと思います。

そんだけ待たされても、受付の人や事務の人は一生懸命仕事してるわけです。
確かに素早くて、プロフェッショナルな姿勢ではないかもしれません。だらだらやっているように見えるかもしれません。でも一日中やってくれてます。
(ちなみに付け加えておきますが、彼らスタッフの給料は超安いです)

きっとあのヨーロッパ紳士は、そういうことも考えて、あれほどの余裕を持ったジェントルマンな対応をしたんだと思います。

日本って、もうサービスが進み過ぎちゃってるんですよね。

先人たちが素晴らしい日本を作ってくれたおかげていろんなところで超すごいサービスが受けられます。スタンダードが上がりまくっているわけです。

「待てなくてイライラする」は、その象徴的な現象だと思ってます。
つまり、日本のサービスのスタンダードは超ハイレベルで待ち時間が少ないのも当たり前。

あの日から僕も、あのヨーロッパ人みたいな対応を真似したいなと思って生活してます。

僕の価値観はあのジェントルマンを見た時からガラッと変わって、受けるサービスの質や待ち時間でイライラすることはほぼなくなりましたね。余裕を持って、見れるようになったというか。

これからの日本は、揺り戻しというか、人口が減っていくわけなので、ゆっくりと衰退していくことは間違いないと思います。

あちこちで受けている今現状のサービスの質が30年後も維持できるのか?と言われれば怪しいかもしれません。

これから外国人もたくさん入ってきて、働く人も外国人だらけになる可能性もあります。
すると、日本人とは感覚が違うので(育っている環境が違うのだからこれは仕方のないこと)、あれ?と思うことも多くなってくるかもしれません。おせーなとか、愛想ねーなとか。

「待ち時間が長くてもイライラしない」能力は、これからの時代を生きていく上で意外と重要な力なのかもなと思った次第でした。

そういう余裕を持ったマインドの方が幸せに生きれるんじゃないかなと。
僕も、あの紳士に近づけるように余裕を持った人間になりたいと思って日々を生きています。

今日はおしまい。また明日。